スクラム釜石オフィシャルサイト SCRUM KAMAISHI Official Site

活動報告

2014.09.15

ラグビーワールドカップ2019釜石誘致応援タウンミーティング 「ラグビーフットボールと男女共同参画の推進」

2014年8月10日(日) 12:30~14:10に、釜石市大町の青葉ビルにて、ラグビーワールドカップ2019年釜石誘致応援タウンミーティング「ラグビーフットボールと男女共同参画の推進」と題して、財団法人日本ラグビーフットボール協会理事の稲沢裕子様にご講演をいただきました。

主催:ラグビーワールドカップ2019誘致推進会、ラグビーカフェクレスト鵜住居
後援:釜石市教育委員会
協力:釜石市男女共同参画推進協議会

——————————————

■司会進行:浜登寿雄
きのう一生懸命あいさつ文をつくったパソコンがクラッシュしてしまい、若干、あがっております。(拍手)

猛暑続きだった釜石ですが、ここ数日はこのような雨模様が続いています。昨日は、釜石よいさでしたが、激しい雨にも見舞われました。踊った方? 観客として観に行った方?それぞれに釜石よいさに参画してもらえたのですが、今回は、男女共同参画ということで、タウンミーティングに参画してもらいたいと思います。
このあと、地元釜石はお盆を迎えます。震災から4度目のお盆になります。こきょうに帰るみなさまで活況を呈す時期となります。改めましてご先祖のみなさんにお祈りいたしますとともに、東日本大震災で犠牲になられたみなさんにいまなお、哀惜の念を持って追悼の意を表したいと思います。

IMG_3785
釜石は、去る7月4日にラグビーワールドカップ2019開催都市立候補に名乗りを上げました。ラグビーワールドカップという大きなイベントが開催されましたら、地元釜石にとって大いなる誇りとなります。

そんな釜石を応援しようと、本日は日本ラグビー協会始まって以来の初の女性理事、稲沢裕子さんにお越しいただきました。

さて、日本のスポーツ界では、女子の活躍に目覚ましいものがございます。2011年に世界一になった女子サッカー日本代表を初めとして、これまで女子の世界が乏しかったスポーツでも、どんどん女子の部が盛んになり、それは、まさにラグビーでも、フォーカスされているところです。
女子日本代表、15人制、サクラフィフティーンは、アジア地区予選決勝、カザフスタン戦に2点差で敗れ、今、開催されているパリでのワールドカップ出場を逃してしまいましたが、俊敏さを活かした7人制、サクラセブンズは、世界ランキング8位に付けていまして、2016年リオデジャネイロで初の正式種目となったオリンピックでの活躍に、大いに期待できるものと思います。

昨年、10月5日、松倉でのSW公式戦の応援に駆けつけてくれた釜石地元、吉里吉里出身の日体大、平野恵理子さんも、セブンズに加えて、学生日本代表に選ばれて、アジア大会、ワールドユニバーと、次ぎから次に、遠征、合宿に出かけていると伺っています。
世界のラグビー界が、日本の女子の活躍に期待しています。そして、釜石でのラグビーワールドカップ2019開催にも期待しているということで、ここは、ありとあらゆる垣根を取り払って、みんなの力を結集するときとばかりに、ラグビーでも男女共同参画、この街でも男女共同参画を推進しようと、お忙しい合間をぬって、本日、日本ラグビーフットボール協会理事 稲沢裕子さまにお越しいただきました。

稲沢裕子さまは、東京都ご出身。1982年早稲田大学政治経済学部ご卒業され読売新聞に入社されました。読売新聞社では、社会部サツ回りを振り出しに、生活情報部を経て、経済部で証券不祥事、日米自動車協議などを取材され、 シニアスタッフとして立川支局勤務後、経済部に戻られるという激務ながら、その間、二度の育児休業を取得。2000年メディア局でヨミウリ・オンラインの編集担当となり、マネーコーナーを企画・立ち上げられ、 女性サイト「大手小町」編集長を務めておられます。2012年6月から調査研究本部で主任研究員として、各種講演会、セミナーやメディア上で、第一線の女性ジャーナリストとして、 働く女性の立場から男女共同参画推進のメッセージを送られています。
そして、2013年、(公財)日本ラグビーフットボール協会理事に就任。とかく閉鎖的、古臭いと言われるラグビー界に、日本ラグビー協会初の女性理事として参画されました。

さて、本日のスケジュールは、まずはゲストの稲沢裕子さまにご講演を願いまして、ラグビーとのご縁や女子ラグビーの活動や展望、スポーツにおける、はたまた社会における男女共同参画のことをお話いただき、ラグビーワールドカップ2019にかける想いなど、お話していただきたいと思います。
それから、トーキングサークルと称しまして、本日、お越しいただいている皆さまの中から、フロアスピーカーを選ばせていただきまして、そのフロアスピーカー様が、ご自身でお考えのスポーツのこと、男女共同参画のこと、釜石の未来のことなど、ご希望のテーマに沿って、ご一緒に、インタラクティブトークを進めて参りたいと思います。

申し遅れましたが、司会進行を務めますのは、私、釜石シーウェイブス理事、ラグビーワールドカップ2019釜石誘致推進会副代表、釜石ラグビーあれこれ応援団の浜登寿雄でございます。
 さて、稲沢裕子さまより、ご講話をお願いいたします前に、本タウンミーティング主催いたしますラグビーワールドカップ2019釜石誘致推進会を代表して、中田義仁さまより、ご挨拶を頂戴したいと思います。 」

■RWC2019釜石誘致推進会代表 中田義仁
 「只今ご紹介にあずかりました中田です。本日は、台風の近づく中、また、よいさでお疲れの中、足元の悪いところ、ようこそお越しいただきました。私たち誘致推進会は、市民団体として今年の5月に発足いたしました。僕たちの目標のひとつは、この地域に暮らす子どもたちに、ワールドカップという大きなイベントを通じまして、夢をもっていただきたい、成長していただきたい、誇りをもっていただきたい、という思いで活動をしておりました。本日は、その活動の一環で、日本協会理事の稲沢裕子様をお招きいたしまして、「ラグビーフットボールと男女共同参画の推進」というテーマでタウンミーティングを開催させていただきます。
 私は薬剤師で、資格を有している7割が女性、職場は8割が女性という中で仕事をしております。僕自身が今日のタウンミーティングをとても楽しみにしているところです。

IMG_3787
 最後になりましたが、本日は、皆様にとって有意義なタウンミーティングになるということをご祈念申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。」

■ゲスト 稲沢裕子さん
 「皆様こんにちは。本日は、わざわざ雨の中お越しいただき、どうもありがとうございます。私は、ラグビータウンとして知られる釜石にぜひ来たい、と、ずっと思っていまして、今回の機会をいただき、やっと想いが叶い、大変うれしく思っております。主催してくださいました皆様、どうもありがとうございました。

IMG_3788

 ただいま、ご紹介いただきました通り、昨年度から、日本ラグビーフットボール協会の理事を務めさせていただいております。
皆さんに、なぜ理事になったのですか、と聞かれます。ラグビーをプレーしていたか? そう見えないですね、ラグビーをプレーしていません。では、マネージャーか? そういう訳でもありません。あえて言うなら、女性だったから。今回のテーマでもあります男女共同参画、ここに理由があります。

男女共同参画は、日本だけではなく、世界的に大きな流れです。女性も男性と一緒に社会の中で役割を果たしていこうという気運が生まれたのは、かなり以前のことになります。国連が1975年を国際婦人年と定めました。世界的に女性が幅広く社会参加することで、世界をより良くしていこうと目指してきました。

1975年から10年間、女性の社会参画の目標を定めて実施していくことになっていました。世界的には、この結果、リーダーシップをとる立場の女性の割合が30%になっています。日本で、具体的な数値目標をたてたのはずっと遅れて、2000年代になってからです。指導的な立場の女性を2020年に30%に増やそうと目標を立て、今、安倍政権が実現を目指しています。ちなみに読売新聞は今年創立140周年ですが、この6月に初めて女性取締役が2人誕生しました。
日本ラグビーフットボール協会も、理事に女性が1人もいないのはおかしいということで、お声をかけていただきました。ラグビーは誰もが知っていた時代がありましたが、今はそういう状況ではない。ラグビーファンを取り込んでいくにはどうするか。ラグビーの素人の気持ちを代弁するには、素人の方がいいとのことなので、勉強させてもらいながら、理事を引き受けさせていただきました。

昨年から、1年4か月間ラグビーを見てきました。この写真は日本代表のイタリア戦です。この試合を見て、感激しました。トータルの体重で日本代表が40㎏軽かったのに、スクラムで全く負けずに勝った。日本のスクラムは強くなっています。このシーン、今でも思い出すと感動がよみがえって来ます。

IMG_3790
ラグビーは、とても魅力があります。ALL OUT!!というラグビー漫画に「ラグビーにはエースストライカーも4番バッターもいない」というセリフがあります。ラグビーには、大きい人、小さい人、それぞれに役割があって、一人一人が、個性を生かして役割を果たすことがチーム全体の力になる。社会も同じです。
ボール以外、選手の動きもようやく目に入ってくるようになりました。ボールを運んでいない選手の動きを追うのもとても面白い。奥の深いラグビーの魅力をより多くの人に伝えたい。One for All, All for One、ラグビー精神を伝えていきたいと思っています。
日本代表は10連勝中です。エディー・ジョーンズHCは、トップ10入りを目指してきましたが、ランキングで史上初めて10位に入りました。

さて、では、男女平等度で、日本は何位だと思いますか。政治、経済、教育、医療関係の分野の様々な指標を数値化して136カ国で比較するランキングがあります。
NZは7位。男女平等が進んでいます。NZに留学するラグビー選手たちが、この側面も勉強してくれるといいですね。南アフリカが17位、イギリスが18位、オーストラリアが24位、フランスが少し下がって45位。

IMG_3791
日本は105位です。日本の女性の平均寿命は世界一長く、医療面は問題ない。教育は男女平等ですが、高等教育に進む比率が世界の先進国に比べると女性がやや低い。問題は、政治、経済です。経済でみると、OECD諸国では、企業の管理職は約30%が女性なのに対し、日本では10%くらいです。日本の場合、M字カーブといって、出産、子育て時期に女性が仕事をやめてしまいます。さらに大きな差がつくのが政治です。政治家、国会議員の比率は、一番多いときで約10%と、女性の政治家が非常に少ない。世界は平均で20%を越えています。日本には女性首相はいない。先のサッカーワールドカップで、開催地ブラジルの大統領は女性、優勝したドイツも女性首相です。女性大統領と女性首相が並んで優勝を祝うシーンで、日本もいつかこうなる日がくるかと考えました。
スポーツ界でも、女性のチカラをもっと引き出していこうという取り組みが進んでいます。オリンピック憲章は、「あらゆる階層および組織において女性のスポーツ振興を強く奨励する。とりわけ国内および国際スポーツ組織の執行部においてこれを推進し、男女平等の原則の完全実施を目指す」と掲げています。日本でも、ラグビー協会だけでなく様々なスポーツ協会で女性役員が誕生しています。日本プロゴルフ協会で岡本綾子さんが理事になられたり、日本柔道連盟でも、一時期の不祥事を乗り越えるため、谷亮子さんが入られたりしています。

そのきっかけとして、20年前の1994年に、第1回世界女性スポーツ会議がイギリスのブライトンで開かれました。
この会議で、ブライトン宣言が採択されました。スポーツのあらゆる面で女性が参加することで、スポーツ文化の発展を目指そうというものです。
スポーツの男女平等実現は、このようにさまざまな側面があります。(10の原則=1:社会とスポーツにおける公正と平等 2:施設整備 3:学校とジュニア・スポーツ 4:参加促進 5:スポーツの高度なパフォーマンス 6:スポーツにおけるリーダーシップ 7:教育、トレーニングと能力開発 8:スポーツ情報と研究 9:資源 10:国内及び国際協力)それぞれの課題を通じて、女性が参加し、スポーツ文化を発展させることを目指すものです。
RWC2019、東京オリンピックときに、多くの人のボランティアが必要ですが、女性も積極的に参加してもらいたいです。RWC2019の出場選手は男性ですが、多くの女性観客に試合を見にきてもらい、ボランティアなど運営にも参加していただきたいと思います。
女性スポーツ会議は4年に1回開催されており、今年は第6回会議がフィンランドのヘルシンキで開かれました。Lead the change、Be the change (変化をもたらせよう。そして、見たいと思う世界の変化にあなた自身がなろう)がスローガンでした。参加した人たちによると、「あなたは何ができますか」と、会議では常に問われていたそうです。スポーツのとてもいいところは共通言語というところです。次回は、ボツワナの開催が決まりました。
日本が2020年に指導的立場の30%を女性にするよう目指していると話しましたが、スポーツ会議では、2020年までにスポーツリーダーの40%を女性に、という高い目標を掲げています。ちなみに、IOC(国際オリンピック委員会)は理事の少なくとも20%を女性に、と求めており、東京オリンピック組織委員会も理事の20%、7人が女性です。

IMG_3792
ただし、女性の参加というのは、なにもここにも大勢いらっしゃる男性を排除するというような意味ではありません。
ラグビーが様々な選手たちの個性を活かして、さらに強い力にしていくのと同様に、女性の参加と言うことは、幅広い意見や見方を取り入れていくことが、より大きな力になる、という意味があると思っています。
コーチや監督にも女性が参加することが必要、とブライトン宣言に盛り込まれています。日本では、スポーツ指導者に占める女性の割合は、わずか3%です。ラグビー界では、女子セブンズ(7人制ラグビー)のヘッドコーチは浅見敬子さんという女性です。サッカーでも、若い世代は女性が監督に就任したそうです。

IMG_3793
女子セブンズの日本代表は2月のブラジル大会で7位になっています。今年初めて女子セブンズは、龍ヶ崎と札幌と横浜のサーキット大会が開催されました。日本の女子ラグビー人口は、オリンピック種目に選ばれたこともあって、3000人。急増中です。ぜひ、多くの女子選手が育ってほしいです。
この写真の方は、来年の9月にイギリスで開かれるラグビーワールドカップ2015のCEO、デビー・ジェバンスさんです。ロンドンオリンピックでディレクターとして活躍し、RWC2015のトップに就任しました。手にしているのは、(ラグビーワールドカップの優勝杯)ウェブエリスカップです。ロンドンオリンピックの聖火リレーに感激し、聖火をヒントに、今回初めてトロフィーツアーを始めました。世界各地を回って、最後に開催国に着くのですが、トロフィーが最初に訪れたのは日本でした。

10609625_682679288485633_6235114878978761733_n
ラグビーワールドカップ組織委員会のCEOに女性がなったのは、おそらく初めてです。ジェバンズさんは、ワールドカップを支えるのは、男性も女性も含めた多くの人たち。ともに、ロンドン五輪で培った経験を生かして、大会を成功させたいと話していました。
日本代表チームは、来年の決勝トーナメント進出を目指してがんばっています。日本がRWC2015で健闘することで、ラグビーの魅力を多くの人に知ってもらいたいと思います。

そして、次にRWC2019、です。
開催地、あるいはキャンプ地に多くの自治体が立候補を検討してくれています。大会に向けて、問題をクリアして、多くの人たちと力を合わせて、力を一つにまとめていく。その過程で、大切なのが、レガシーです。
レガシー、日本語で遺産です。大会が終わったあとに何が残っているか、大会の後に、どういうものを残していけるのか。2020年の東京オリンピックでも、レガシーが議論されています。2019ラグビーワールドカップは、大会の後に何を残していけるのか。
日本代表がいい試合をして、健闘する、それ自体、見ている人たちに元気を与ええてもらえます。前回のロンドンオリンピックの後、銀座のパレードには50万人の人たちが、健闘した選手たちから勇気をもらったと集まった。代表の活躍は、社会全体に、とても大きなものを与えてくれると思います。それだけでは、もちろんない。とくに子どもたちに何が残していけるかが、大事だと思っています。
今日、宝来館で、スーパーキッズの素晴らしい演奏を聞かせていただきました。子どもたちの持っている可能性は、とても大きい。2019ワールドカップや2020東京オリンピックで、大切なポイントになると思っております。

実はきょう、宝物を持ってきています。ミラクル釜石子ども親善大使の方からいただいた直筆の手紙です。釜石からNZにいって、交流した釜石東中の当時2年生の方からいただきました。「私たちが架け橋になって、ニュージランドのクライストチャーチと、ともに復興して、ラグビーでもっと釜石をおこしていくことを、これからも国際活動を通じて、続けていきたいです」と、書かれています。
ワールドカップのような国際大会を通じて、子どもたちが世界とふれあい、視野を広げる。子どもだけではないですね、ワールドカップは世界とつながる機会になります。とくに釜石は、世界に対して、情報を発信していける場所だと思います。
ミラクル釜石、釜石の奇跡は、国内だけでなく、世界に向けても大きな意味があると思います。ワールドカップは、それを発信していく、いい機会になると思います。
開催地になるかどうか、といったワールドカップの試合開催招致に関し、ここで何かを申し上げることはできません。また、開催地決定への影響力もまったく持っておりません。
でも、例えば、子どもたちと世界の子どもたちが交流する、あるいは、世界の選手たちに、釜石の経験を伝えてもらう。釜石でしかできないことがたくさんあります。たとえ、釜石が招致できないとしても、一人一人ができること、自分にできる役割を果たしていくことが、ラグビーもそうですし、ワールドカップの成功に結び付いていく。それを、子どもたちの可能性を広げるこれからのために結び付けていっていただけたら、釜石の明日にラグビーのワールドカップが少しでもお役に立てると思います。
一人一人自分にできることをしていただく、それが最後には大きな力になるのではないかな、と思っております。One for All, All for One。2019年のワールドカップでも一番、キーになる言葉かなとおもっております。(拍手喝さい)

 

■司会進行:浜登寿雄

「稲沢さま、たいへんありがとうございます。男女共同参画は、ただ単にお仕事、労働のことのみならず、ラグビーはじめ、あらゆる場面で、垣根を取り払うことだということが、よくわかりました。我々釜石にとって、たいへん貴重なお話をいただきました稲沢裕子さまに、今一度、拍手を。
それでは、今から5分間のショートブレイクをはさみまして、第2部では、会場の皆様と稲沢裕子さまとのインタラクティブトークを行うトーキングサークルを始めさせていただきたいと思います。」

*******

「さて、ゲストの稲沢裕子さまを囲んでのトーキングサークルでは、こちらで選ばせていただきました方々にフロアスピーカーをお引き受けいただきました。対話をお願いしたいと思います。では、まず、宝来館の岩崎昭子女将。」

IMG_3794

■宝来館 岩崎昭子女将
「2019年にラグビーのワールドカップが日本であるんだよって、震災になって・・・未来に明るい故郷を見せてやりたいので、ラグビーで世界中の人が来る故郷づくりしたいと思っています。夢、希望。来年の3月、いろんな方のご意見で決まると思いますが、スポーツは東京オリンピックの誘致の時に、気仙沼のパラリンピックの選手の方が、被災地にスポーツで夢を下さいと言って・・・応援してもらいたいと思います。2019、ワールドカップを釜石でやろうと。むこう20年のストーリーができます。本日は釜石に来ていただいてありがとうございました。」

■ゲスト 稲沢裕子さん
 「今日のテーマを準備しましたが、宝来館に伺って、男女共同参画は、とっくにここでは実現している、と思いました。岩崎さんのリーダーシップと実行力、ほんとに素晴らしいです。午前中のスーパーキッズの演奏・・・ワールドカップもの一つのきっかけにしていただければありがたいです。釜石の情報発信、被災地からの情報発信、今やっていらっしゃる情報発信を、広げていっていただきたいです」

■子育て経験者 和田竹美さん
 「今日は貴重なお話を伺わせていただけまして、勉強になりました。今、被災して内陸に避難していて、盛岡で男女共同参画の催しにふれることもあります。夫婦茶碗の大きさが違うのが不公平という見方もありますが、そういう見方には少し違和感があります。男女共同参画というのは性差を超えるものではなく、性差もしくは個体差というようなものを思いやるところからスタートしなきゃまずいんじゃないのかなと思っているところです。
 子育て経験があるものとして、男女共同参画というのが女性の社会進出と完全にイコールになってしまうことには疑問があって、どんどん女性が社会に進出するのはすごいいいことですが、女性なら多くの人が迎える子育ての時期に、焦りが出ちゃう、若い女性がそうなると、『私、やっぱり子ども持つのやめようかしら』と思わないか。女性は女性で、家庭で必要な時もあるし、経験値を生かして社会で活躍できる時もある。女性、男性という長い一生のなかで、いつでも社会に戻れる環境をつくることが大事じゃないかなと思いました。
 男女共同参画の国を見て、オモシロいな、と。仕事柄、アメリカ人がいっぱいいて、レディーファーストは先に何が待っているかわからないから女性を先にいかす。日本はサムライ精神でおれがまず、いってやる。それは詭弁かどうかはともかくして。その国や風土にあったやりかたがある。日本には日本の文化があって、日本の文化を大事にしながら、男女参画を進めていく方法があるのではないかと思います。
 釜石は女性のタグが強いので、ラグビーを増やしていくのがすごくいいこと。そこからも男女共同参画がはじまる」

■ゲスト 稲沢裕子さん
「男女共同参画は、女性の男性化ではありませんし、男性対女性でもありません。男性は男性の個性、女性は女性の個性や違いを生かし合いながら、共同で社会に参画することだと思います。一方で、指導的な立場の女性を増やすことは、やはり必要だと思います。意思決定の部分で女性の意見が反映されていない。家庭や子育てと仕事の両立が反映されない、というのは、男性にとっても必ずしも幸せなことではないと思います」

■ラグカフェ代表 遠藤ゆりえさん
 「こんにちはNPO法人かまいしリンクの遠藤と申します。先ほど行かれたラグビーカフェの運営に関わらせていただいております。私自身、やりがいを感じてます。8月、今月に出産予定です。その中で、さっそく葛藤があって、活動も続けたいということ、子どもに出来る限り愛情を注ぎたいということ、出産前なのに、早くも、そういう壁のようなものを感じていたりするのも実態じゃないかな、とか、でも、今、社会がそういう方向にむかっていて、女性でも働きやすかったりとか、男性の意識がそういう風に変わってくれば、私でも働きやすくなるかなと、わかって来たので、少し明るい気持ちになりました。今日は、ほんとに、ありがとうございました。」

■釜石商工ラグビー部 柏木那月さん
 「私は女子ラグビー日本代表になって、ラグビーのまち釜石を、もっと盛り上げていきたいと思います。」
 「釜石でワールドカップが開かれれば、男女関係なくラグビーをする人が増えていくし、ラグビーの楽しさが、いろいろわかると思うので、ぜひ釜石でワールドカップを開いてほしいです。」
 「ラグビー部で女子一人なので、タックルなどあまり出来ないでの、女子のコーチがいたら、一緒にできるので、うれしいです。」

(質疑)
■国立釜石病院 土肥 守さん
 「女性が応援するのは、なんとか選手がいる、なんとかチーム。でいくと、個人のプロフィール、女性の心をくすぐるプロフィールを、こんなに頑張って日本代表になったんだよ、とかいう話をすると女性のファンが増えると思います。
 女性の多い職場なのですが、いなきゃいけない人のためには会社も何でも、赤字の保育所でもつくると思うんですけど、問題は、非正規雇用というのがあって、短い時間働ける。必要な人をゲットするためには会社も、その環境を作らざるを得ないことと、兼ね合いがどうなのか、・・・」

IMG_3801

■ゲスト 稲沢裕子さん
「非正規雇用の問題はとても大きな問題で、男性も非正規雇用が増えています。非正規雇用の生活の安定をどう保つかというのは、これからいろいろな対策をとっていかなければならないと思います」

■司会進行:浜登寿雄
「ありがとうございました。・・・そして開催地決定が来年の3月。釜石、まだまだやらなければならないこと、それに向かって取り組んでいかなければならないこと、たくさんございます。男女ともに手を携えて、RWC誘致に向けて進んでいけるかなと思います。以上をもちまして本日のタウンミーティング終了させていただきますけれども、本日のゲスト、稲沢様にもう一度、皆様から拍手を。ありがとうございました。」

(文 松瀬 学)